確かにアメリカでも日本でもSVFRは認められていますので、ATCからの許可が出れば可能です。 でも現実は違います。
天候が悪く経験が無い人にはお勧めは出来ません。そして慣れない空港でもSVFRは避けるべきです。
合法なので、違法性のない危険回避策、チョイスが無い時の最終手段ですけどホントに危険です!
経験が豊富で、地域を良く知ってるなら理解できますが、それでも違った高度から見る風景は変わるので注意ね!
特に低空ではぜんぜん違って見えます!
空港に慣れきっていて、 回りの地形、道路、鉄道、建物、障害物など全てを理解してる人が、行なう物と理解して下さい。
本当のEmergencyでは無いですが、 慣れない人はSpecial VFRを行う時はEmergencyのつもりで!
GPSを搭載している飛行機なら、比較的安全性は有るでしょうけど、 GPSばかり見ていると、回りの状態が分からなくなって、 障害物や山等に激突しないでね。 それからGPSに気を取られて、Straight-and- Levelで飛行するのが基本と忘れないでね。 Clear of Cloudは雲に入っちゃ駄目ですよ。 また雲に入らなくても、地平線が見えないので、Specail DisorientationやVertigoには気を付けて。
Special VFRの様にLow CeilingとLow Visiblityは物凄く危険な状態で、航空事故が多い気象条件と同じです。
まさに「VFR-into-IMC」と言う操縦不能、Spatial Disorientationに陥りやすい状態です。 これは日本でも、アメリカでも頻繁に起きており、毎年何機かの飛行機が墜落し、ほぼ助かる見込みの無い航空事故です。上空からの墜落は、高速でエネルギーも高いので、ほぼ全員が死亡です。
また CFIT Controlled Flight into Terrainの原因ともなりやすいので細心の注意が必要です。
CFIT とは 航空機に問題も無く、きちんとした操縦士が飛行しているのに、判断を誤って、山や地面に衝突する事故の事を言います。 航空機に何の問題も無く、操縦が出来る状態なのに、操縦士の判断ミスで山等に激突してしまう事を言います。 Special VFRでは低空を飛行する場合も多く、前が見えない状態が多いので CFIT事故が多くなります。
またVisibility 1 mileでは1000 feet 上空からでは前方は見えないとされています。 「高度1,000 feet AGL毎に、Visibilityが1マイル必要とされています。 航空機や操縦士の眼の位置によって違いますが、 Low Visibilityの場合は前が見えないので、下を見て飛行する事が多くなります。 その為、地域に慣れていないと、山や障害物に衝突する事故に陥りやすくなります。
飛行中に天候が急変して、目的空港がVFR以下になった時はSVFRが可能だからと考えないで、直ぐにDivertして下さい。
PreflightでAlternate Airportを選んでいるはずですよね。 SVFRの空港に何も考えずに行くのは自殺行為です。
経験が少なくとも、燃料が無い場合や、近くに安全な空港が無いなど、緊急の場合はSpecial VFRで着陸するのも方法でしょう。 法律で認められてるからでは無く、経験が不十分な場合は緊急としての代替としてのSVFRと思って下さい。
Special VFRで離陸する時は、FSSや他の情報源から確実な情報を得てから離陸するのが常識です。 そして、その空港の付近も熟知していると言えるぐらいの時に、検討しても良いでしょう。 SVFRでの離陸は、わざわざ安全が保障されている地上から、危険が一杯の中に突っ込んで行く状況であると認識して下さいね。 この様な天候で離陸していくのは自殺行為に近く、High Performance機でも最善の注意が必要です。
- どの高度でVFRになるか? そこに行くまでに何マイル必要か?
- どのコースで?
- もし、天候が予想以上に悪い場合はどうするか?
- 離陸後、旋回して帰ってくるにも、半径0.5〜1マイルぐらいのスペースが必要です。 広さは十分か?
- Visibilityが3マイル以下って、Class-Dの境界線が見えないって事は理解してますか?
- Visibility 1マイルだと、高度1,000 feet AGLでもう、前は見えないよ。
- Low Ceilingなら、障害物は大丈夫? 山岳地帯なら、谷が有っても高度は上るぞ?
- 本当の雲に入れば、驚きます。 教官が横にいれば精神的にも違いますけど。 (その前に違法)
- 経験の少ない間に、これほど考えられる能力はありますか?
- 間違えても、法律で認められてるから、安全、権利が有るなんて勘違いしない様に!
- Night SVFRではIFR機でIFRパイロットが義務付けられています。 何故でしょうか?
- SVFRで離陸しているパイロットが多いのも現実ですが、彼らの経験は桁違いですので、真似は駄目だよ!
- 死んでる人は多いよ! 毎年、VFR-into-IMCで何人かの人が命を失ってます。
- CFIT事故にも陥りやすい状態です。
個人的にはVisibilityは5マイル、Ceilingは3,000フィートはVFRでの離着陸で欲しいですね。 慣れているなら、もう少し天候が悪くても良いでしょう。
でも、飛びなれた空域でもも高度が違うと風景が全く変わり、「なぜこんな場所で!?」と言うのは多く有ります。 Special VFRは飛行タイムが増えて、計器飛行が得意、そして「飛行機を完全にマスターしてる!」と言い切れる時に、下準備をタップリとしてから行なってください。
確かにSpecial VFRは法律で認められています。 しかし、法律は貴方を守る為に作られたのではありません。 最低の事だけを制限して、 「後は知らんぞ、自分で命を守れよ!」が基本です。 航空法やFARは VFR機やSVFR機を守る為には出来ていません、 IFR機を守るぐらいが本当の目的と思って下さい。 Special VFRでは、Class-EやD等にて計器飛行のIFR機が居ないから、経験豊富な操縦士のVFR機を特別に1機だけVFRとして飛行を認めてあげよう、ってのが基本的な考えです。
日本では、天候が悪くなりやすいので、比較的、Specail VFRが多く行なわれているのは知っていますが、彼らはそれなりの経験があり、トレーニングを受けています。単に法律で認められるからと言う理由では行なってい無いでしょう。 まあ、パイロットはプライドが高い人種なので「SVFRは屁みたいな物だ」と言う人が多いでしょうが、実際は多くの訓練を受けてきた人ですので、勘違いはしないでね。 誰でも安全に行える物じゃありません。 私ならSVFRの時はIFRで飛行します。
何度も書きます「法律でOKだから」と言う考えは辞めて下さい。 飛行しない勇気も、良いパイロットには必要です。計器飛行証明を取り、多くの経験を積んだ人向けの飛行方式と思ってね。 SVFRで離陸する人は特別な人ですよ。
経験が少ない間はSVFRは特別で、危険が一杯だから、緊急回避為に!緊急手段!ぐらいの認識でね。