Holding PatternでのWind Correction
コースに対して横風の場合
風はコースに対して平行に吹いているとは限りません。 ほぼ間違いなく、何らかの横風が有ります。その横風に対しての修正方法です。基本はInbound Legでは、綺麗に飛行(Tracking)する事が目標になります。 横風の修正ではOutbound Endでの旋回が終った時にちょうどInbound Legに入ってる様にします。
右の図は、風に対して、何の修正もしなかった場合を描いてみました。
未修正ですと、Inboundに向いた時に機体は風下に大きく流されてしまいます。
Inbound Courseでは指定されたコース(Radial)をTrackingします。 そして、Inbound Legを真っ直ぐ飛べる修正角度のWCAを割り出します。 そしてInbound Legで割り出したWCA 修正角度の3倍でOutbound Legを飛行します。
例えばInbound LegでのWCAが5度でしたら、Outbound Legでは風上に対してWCAを3倍の15度で飛行します。
(最初はWCAが最大で30度を超えない様にして下さいね。)
3倍にする理由は、目標はInbound Legで指定されたコースを飛行する為です。 Holding Pattern内での旋回ではバンク角度が一定なので風に対しての修正が出来ません。 唯一、その分の修正が出来るのがOuntbound Legです。 その旋回は1分で、2回行いますので合計2分。 そしてOutboundの平均は1分です。単純計算では、Outbound Legでは旋回中の修正も必要なので3倍の修正が必要になります。
参考に:
コースに対して真っ直ぐ飛ぶ事をTracking。 そして修正角度をWCA, Wind Correction Angleと言います。
一部のテキストや教官によってはOutbound Legでは WCAを3倍でなく2倍で飛行する様にと指示します。 3倍と書かれていたのはFAAが発行するAIMに出ていた数字です。 私は2倍で覚えたパイロットでした。 確かに誤差はありましたが、修正可能な範囲です。 頭の中で考えると3倍の方が正しく思えます。しかし、風向きの事を考えると、そこまで単純ではありません。3倍でも誤差は発生します。
どれでも正解の範囲です。 管制官、教官、試験官もこれぐらいの誤差は分ってますので、深く考えないように。 また、空域もこれぐらいの余裕は空けてあります。最初は貴方の飛行教官に従い、飛行経験を積んでください。 そして最終的に、貴方に合う方法を貴方なりに見つけて下さい。 細かい事なんで、深く悩まない事をお勧めします。ただ何をしているか?2倍なら2倍と決めて飛行して下さい。 Outbound LegでフラフラとHeadingが変わるのは駄目ですよ。
(完璧な式は使えないと言う事で、フラフラと飛ぶのは理由になりません。逆に操縦技術が無いと判断されます。)
注意点は、Inboundでの風向きとOutboundの風向きは左右反対になります。 両方とも風上に向けるのですが、Inbound と Outboundでしたら風上が左右逆になります。 それとOutbound Legで修正する時は、最初のWCAは30度を上限にした方が無難です。 30度を超えると修正が強すぎて、他に問題が出ますので、どうしても30度以上の修正が必要と判断した場合には、必要に応じて修正してください。(AIMには30度の上限は指定されてません。 風が強すぎる場合は30度以上の修正が必要になる場合もありますからね。) 何度か書きましたが、修正方法は許容範囲内ですが完璧ではありません。 この修正角度には完璧な公式が有ったとしても、操縦中にはそんな計算は出来ません。ですからOutbound Legでの修正角度は2倍か3倍と決めて、その後に何度も修正を繰り返して正しい角度を導きます。 教官、管制官、それに試験官も完璧な公式は使え無いと理解しているので深く考える必要はありません。 フラフラと飛行せずに、それに対して修正さえ出来れば十分です。
私は、、、、Outbound Legの長さをInbound Legでの誤差分をそのまま調節する。 WCAはInboundでの3倍で飛行する。がお勧めですが、どれも完璧では無いので、微調節を繰り返して下さい。 ゴールはOutbound Endの旋回を終えたらInbound Legにピッタリ、そして60.0秒でFixの到達する様に調節を繰り返してください。
目標はInbound Legに機首が向いた時に、「On Course」そして、飛行時間がピッタリと1分間になる様にです。
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