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Critical Engine and PAST

P. P-Factor

機首上げによる、プロペラのP-Factorの影響

多発機 (Multi-Engine Airplane)でもP-Factorの影響は大きく出ます。ここではこのP-Factorの影響が片肺飛行(一つのエンジンが停止した状態)での説明をします。

P-Factorの原因復習: 

P-Factorは飛行機自体のPitchが大きくなった時 (High Angle of Attackの時)に発生します。 この状況では気流(飛行コース)に比べると、プロペラは垂直に回転しません。 その為に下向き(右側)のプロペラがより多くの空気をかく(Higher Angle of Attack)事になるので、下向きの方が推力が強くなります。  

図は単発機ですが、このP-FactorはMulti Engine Airplaneでもプラモデルでも同じ原理です。 飛行コースに比べてプロペラが上に向くほど影響が強くなります。

High Pitch = Slow Speed = High Power = More P-Factor

Multi Engine AirplaneでのP-Factorの影響

P-FactorはMulti Engineでも同じ様に発生します。 発生している場所は飛行機の中心線では有りませんが、現象は同じです。 この為、Multiでは二つのエンジンが飛行機を右側に協力(強力?)に左側にYawingさせます。

P-FactorはMulti Engineでも同じ様に発生します。 発生している場所は飛行機の中心線では有りませんが、現象は同じです。 この為、Multi Engineで迎え角が多きい場合(Slow Flight状態)では2つのエンジンが飛行機を協力してに左側にYawingさせます。

片方のエンジンだけで飛行する場合は、性能的にもギリギリの状態ですので、かなりPitch Upな状態になります。(Slow Flightに似てます)その為、生きているエンジンからは強力なP-Factorが発生します。 この時もP-Factorで同じ様に右側の下がって行くプロペラの推力が強くなります。 エンジンどちらでもプロペラの右側でThrust(推力)が強くなります。 エンジンの中心から見ると、両方とも右側なのですが、 飛行機の中心線、Longitudinal Axis から見ると、左右では距離が違います。この距離の差が左右に違いを生じます。

P-Factorが発生する時は、シングルエンジンのYawingにP-Factorに加算する時と、対抗して減らしてくれる場合が有ります。 (茶色の太い線)

緑色の矢印は生きているエンジンの推力と、片肺でのYawingを示しています。 
    紫色の矢印は、故障したエンジンとそのプロペラが作る抗力で、Yawingを強くします。
青色の矢印はP-Factorによる増えた推力と、その影響で作られるYawing
赤色は、二つのYawingを合計した物です。左右の違いに注目 
      Yawingは右の時が強く、左の時は弱くなります。

Single Engineでの場合は、生き残ったエンジンが飛行機を故障した方のエンジンへ強力なYawingが発生します。(緑の矢印)
そしてP-Factorが発生する時は、シングルエンジンのYawingにP-Factorに加算する時と、対抗して減らしてくれる場合が有ります。(赤色の太い線) 少しでもP-FactorがYawingを打ち消してくれると操縦は楽になりますが、Yawingに加担する際は操縦が大変になります。

Critical Engine が故障すると、もっと強いラダー、足の踏ん張りが必要!って事です。

同じ回転方向の双発機では、左側だけのエンジンですとP-Factorが片肺でのYawingに対抗してくれるので、機体が感じるYawingが減り、ラダーを踏む分が減少します。 (左の図) 

しかし、右側のエンジンだけの時は、P-Factorが片肺でのYawingに加担する事になるので、より強烈なYawingが発生してしまいます。 ラーダーを踏み込む力を増やす必要が出てきます。

右側の故障では、影響が小さいのですが、左側のエンジンが故障するとP-Factorの影響がより強くでるので、左側がCritical (Critical Engine)になります。

次は: PASTの「A] Accelerated Slipstreamについて

 

Intro : P-Factor : A-Accelerated Slipstream : S-Spiraling Slipstream : T-Torque : Counter Rotating : Summary

 

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