この元になっているのは「操縦士が判断を下す際は5つの要因(Variables, 5P's)を検討するべき事柄がある」から来ています。 実際のフライトでは、飛行中に直感的 (Reactionary)に判断を下してしまう場合が多くなります。 しかし、あまり考えずに下す直感的な判断は間違えている事も多いのが現状です。 ストレスの中では判断が鈍りますし、理論的に考えないと最良の判断が難しくなります。 この不確実な直感的な判断を減らす為に、重要な飛行中のポイントで5つの要因を再確認し、より効率的な判断を下せる様にするのが目的です。
The 5 Ps are based on the idea that the pilots have essentially five variables that impact his or her environment and that can cause the pilot to make a single critical decision, or several less critical decisions, that when added together can create a critical outcome.
パイロットが重要な判断を下す時には、5つの要因があるとの考えが基礎。
The 5P concept relies on the pilot to adopt a “scheduled” review of the critical variables at points in the flight where decisions are most likely to be effective.
判断を下すのに効率的とされる飛行中の区切りで、この5つの「P」を確認する事が5P'sの基礎となっています。 飛行中の大きな区切りでの判断が最も効率的で、その時点で5つの要因(5P's)を再確認して、より良い判断を下しましょうとの考えです。 また、定期的な間隔で確認するのも賢明な方法です。
問題が発生してからの対応では、じっくりと考えられずに直感的な(Reactionary)行動で最良の結果を得難い。これを防ぐのに定期的な確認がリスクを減らします。
この区切り、チェックを行うタイミングとしては、
- Preflight, (ベースを出る時や点検時)
- Pre-Takeoff, (離陸直前やランナップ)
- Hourly (定期的、これは変化がある時ではなく、定期的な再確認で未然の防止)
- Mid-Point(中間点、分かりやすい区切りで再確認をする目的)
- Pre-Descent(下降開始前)
- before traffic pattern and FAF(パターンに入る前やFAF), and
- Emergency発生時 (直感に頼らず、論理的に)
と大きな変化が有る時や定期的に、5 P'sを確認します。 これが5P Checklistです。 大事な事を早く確認する事で、寸前での反射的な判断を減らし、より理論的に判断を下すのが目的です。
これはSRMの一つで、5P'sは飛行中のSRMを手助けをする手段の一つです。PTSではRisk Managementの項目に入ってるのですが、テキストではSRM, Single Resource Managementの部分になります。目的は安全に飛行して、事故防止ですので、違いを気にする必要は無いと思います。
SRMはSingle Pilot Resource Managementの略ですが、一人で操縦する時だけに限った物ではなく、一人の操縦士の判断方法思った方が良いかもしれません。情報を集めたり危険の察知し、それらの分析、そして正しい判断を下せる様にする事がSRMの目的です。確実にRisk Managementとは関連が深いです。
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