冷静に考えると馬鹿らしいのですが、パイロットと言う人種は外見を気にする傾向が強くて、その無理から事故に繋がるケースが後を絶ちません。 他のリスクを感じていても、プライドが邪魔をする場合が頻繁に見られます。 (無意味なプライドを捨てる勇気が必要ですね)
安全性を無視してまで、フライトを完了させないと駄目だと思い込んでしまうケースです。
- 誰かが空港で待っている。
- パイロットが乗客を失望させたくない。(下手と思われたくない)
- 驚かせたい欲望 (良く思われたい) 「Watch This!」ってのが危険なフレーズ。
- 個人的な欲望を満たしたい。
(日常会話でも出てきそうなフレーズ)
- get-home-itis (無理をしてでも、家に帰りたい欲望)
- get-there-itis (目的地に意地でも辿り着きたい欲望)
- let's-go-itis (行きたいと言う欲望ばかり
- パイロットには、むやみにゴールを目指す傾向がある。
- 技量や経験が不十分と分かっていても、心理的なプレッシャーに負ける。
- プライドは外因としてはパワフル。(困ったもので、一番の事故の元。)
External Pressureのい取り扱いがリスク・マネージメントにおいて、最も重要です。その対策としてPersonal Standard Operating Procedures (SOPs)が一つの有効な対策です。目的は外圧から開放する事です。 下記の項目が含まれますが、これらが全てではありません。
- 途中での給油が出来る様に時間に余裕を持つ。 天候が悪くなれば、予定外の着陸も行う
- 予定が遅れる場合の予備のプランを作っておく。 目的地への到達が絶対に必要な場合はエアラインの予約もしておく。
- 本当に重要な場合は、早めに出発する様にして、最悪は自動車の運転でも間に合う様にする。
- 目的地で待っている人が居る場合は、遅れる事があると事前に知らせておく。 そして、遅れる場合の連絡方法を確認しておく。(現在なら携帯電話とか。日本人でもアメリカならプリペイド式が簡単に購入できるよ)
- 乗客の期待を制御・マネージする。 乗客には到着時間が絶対的では無いと知らせておく。もし、決った時間に到達する必要があるなら、予備のプランを作っておく。
- 無理に家に帰らなくても済む様に、日帰りの予定でも、Overnight Kit(簡易的な旅行セット)を常に携帯しておくのが良いでしょう
External Pressureの管理する最良の方法は、延着や遅れに準備して、受け入れる様にします。 エアラインでも自動車の運転でも遅れる事は日常茶飯事だと認識して下さい。パイロットの任務はリスクを管理する事であり、危険を作り出す事ではありません。
SOPに関してのチェックリストを作っても良いかも知れませんね。 そして、遅れる事を前提に計画するのが、リスクから人や命を守ります。