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Risk Management (for CFI's PTS based on FOI)

PAVEの項目

PAVE, リスクを4つの区分に分けてリスクを察知して状況を判断する。

"P" Pilot or PIC:

航空機事故の7割強が人間が原因です。 特にパイロット・エラー。 一番注意すべき点です。パイロットは「このフライトを行っても安全か?」と確認する義務があります。外圧に負け無い事も大事です。プライドで事故を起すなんて、愚の骨頂としか言えません。

  • "I'm Safe" Checklistで飛行が出来るか確認をしたか?
  • Proficiencyは十分? 資格だけでなく、十分な経験や技量技量は備わっているか?
  • Flight Recency や Currencyは? 過去の実績だけでなく、最近はどう?技量はフレッシュ?

”A" Aircraft 

その航空機はそのフライト向きか? 性能は十分か?

  • そのフライトにこの飛行機は適しているのか?
  • 操縦士はその飛行機に慣れているか? 性能表は最新の機体でテストパイロットが行った結果です。性能がやや落ちるが大丈夫でしょうか?
  • そのフライトに必要な装備が備えられているか? Equipment? VOR、DMEやGPS? Nav and Landing Lights? 固定器具、救命胴衣やラフト、室内灯
  • その航空機を使った場合、滑走路の長さは十分でしょうか? 余裕が十分にあるか? 
       例: 50/50のルール。 その滑走路の長さは、50 ftの障害物を越えられる距離の50%以上は有るか?
  • 予測される"Load" 負荷に耐えられるか? 重量や「G」、乱気流。
  • 十分な高さ、高度を得られるか? 山を超えられるか? TFRやRestrictedなどの空域を越えられるか?
  • 燃料搭載量は? 大きさだけでなく、燃料の重量も? 適合する燃料は手に入るか?

 

"V" enVironment そのフライトを取り巻く環境や気象に問題は無いか。気象状況、空港、空域、夜間飛行など色々と検討する必要があります。

Weather: 最も影響度が高いのが気象状況です。 関連事故も多い。

  • 現状のCeilingとVisibilityは? 山岳地帯ではMinimumは高めにしましょう。
  • 予報と違う事もあると認識しましょう。 代替の計画も作っておき、予想外の事が起こればダイバートしましょう。
  • 空港の風と横風成分は
  • 山岳地帯を飛行する際は、上昇気流に注意する。強い風があると強い乱気流や下降気流が発生し、悪天候 (Significant Weather)が無くても危険な場合があります。 
  • 雷雨 (Thunderstorm)の報告や予報は
  • もし報告や予報に雲があれば、Icingは無いか? 上空や地上でのTemperature と Dewpointの差は? 予定ルートでは、どこでも安全に下降が出来るでしょうか? 気温と露点の差が狭いと霧の発生のい危険性が増えます。
  • もし、Icingになればパイロットは航空機のDe IceやAnti-Iceの装置は使えますか? それらは正しく動きますか? その航空機が認定されているIcing Conditionは?
  • 飛行ルートの標高(Terrain)を解析するのは重要な事です。 天候の悪い時や夜間にTerrain(地面や障害物)を避ける為には離陸前にVFRやIFR Chartを詳しく調べておく事が必要です。 

Airport: 空港の状況は

  • 着陸空港や代替空港の照明施設は? PAPI/VASI、Glide Slopeの状況は?
  • NOTAMは? 近くの空港も調べておくべきです。
  • 飛行ルートの選択は賢く行いましょう。 エンジンが停止した場合は空港や広くて平らな場所が重要です。
  • 目的地や代替空港は狭かったり、障害物は無いでしょうか?

Airspace: 空域は

  • 何も無い様な場所(田舎)へのフライトを行う際は、不時着を行った事を考えて、衣類や食料、緊急キットを持っていきましょう。 Emergency Landingをしても、直ぐに助けが来る保障なんて有りません。
  • 海上や何も無い地域、雲の層の上を飛行する際は、地平線の確認が出来なる場合があり、天候が良くてもDisorientationやVertigoに陥る場合があります。 その様な地域のフライトは計器飛行が行えるパイロットが飛行すべきです。 (VFRも合法ですが、安全とは言えません)
  • TRFやAirspaceの状況を調べておきましょう。 Restricted AirspaceやMOA等の状況を調べてから計画を作るべきです。(Is there any TRF or hot Restricted Airspace, MOA or other Activities along the route? Hotは熱いと言う意味ですが、有効や使われているとの意味が有る場合も)

Night Flying:

  • 海上や何もない地域を飛行する際は、水平線が分からなくなる場合が多いので、Instrumentで飛行ができるパイロットが飛行すべきです。 海や真っ暗な方向に向いての離陸は飛行はVFRであっても夜間では計器飛行並みに危険です。 アメリカの田舎町は本当に何もありません。 街の明かりと星明りの区別が付かない場合があります。 都市部でも海上に向かって離陸する場合も危険です。
  • 夜間でも安全に緊急着陸が出来るでしょうか?
  • 夜間飛行の場合はプリフライトでは全てのライトが点灯している事を確認しましょう。 外部と内部のライトもです。 そして最低でも2つの懐中電灯を持ち運びましょう。一つはプリフライト用に、小さくて暗くして使えるのを、飛行中には何時でも使える様に準備しておきましょう。 

"E" External Pressure

冷静に考えると馬鹿らしいのですが、パイロットと言う人種は外見を気にする傾向が強くて、その無理から事故に繋がるケースが後を絶ちません。 他のリスクを感じていても、プライドが邪魔をする場合が頻繁に見られます。 (無意味なプライドを捨てる勇気が必要ですね)

安全性を無視してまで、フライトを完了させないと駄目だと思い込んでしまうケースです。

  • 誰かが空港で待っている。
  • パイロットが乗客を失望させたくない。(下手と思われたくない)
  • 驚かせたい欲望 (良く思われたい) 「Watch This!」ってのが危険なフレーズ。 
  • 個人的な欲望を満たしたい。 (日常会話でも出てきそうなフレーズ)
    • get-home-itis (無理をしてでも、家に帰りたい欲望)
    • get-there-itis (目的地に意地でも辿り着きたい欲望)
    • let's-go-itis (行きたいと言う欲望ばかり
  • パイロットには、むやみにゴールを目指す傾向がある。
  • 技量や経験が不十分と分かっていても、心理的なプレッシャーに負ける。
  • プライドは外因としてはパワフル。(困ったもので、一番の事故の元。)

External Pressureのい取り扱いがリスク・マネージメントにおいて、最も重要です。その対策としてPersonal Standard Operating Procedures (SOPs)が一つの有効な対策です。目的は外圧から開放する事です。 下記の項目が含まれますが、これらが全てではありません。

  • 途中での給油が出来る様に時間に余裕を持つ。 天候が悪くなれば、予定外の着陸も行う
  • 予定が遅れる場合の予備のプランを作っておく。 目的地への到達が絶対に必要な場合はエアラインの予約もしておく。
  • 本当に重要な場合は、早めに出発する様にして、最悪は自動車の運転でも間に合う様にする。
  • 目的地で待っている人が居る場合は、遅れる事があると事前に知らせておく。 そして、遅れる場合の連絡方法を確認しておく。(現在なら携帯電話とか。日本人でもアメリカならプリペイド式が簡単に購入できるよ)
  • 乗客の期待を制御・マネージする。 乗客には到着時間が絶対的では無いと知らせておく。もし、決った時間に到達する必要があるなら、予備のプランを作っておく。
  • 無理に家に帰らなくても済む様に、日帰りの予定でも、Overnight Kit(簡易的な旅行セット)を常に携帯しておくのが良いでしょう

External Pressureの管理する最良の方法は、延着や遅れに準備して、受け入れる様にします。 エアラインでも自動車の運転でも遅れる事は日常茶飯事だと認識して下さい。パイロットの任務はリスクを管理する事であり、危険を作り出す事ではありません。

SOPに関してのチェックリストを作っても良いかも知れませんね。 そして、遅れる事を前提に計画するのが、リスクから人や命を守ります。

次へ (Personal Minimumについて考える)
PAVE Checklistは結構有名でもあり強力なツールになってくれると思います。別の方法としてPersonal Minimumも設けるが大事です。


Introduction : Risk Managementって
Areas of Operation I. Task G Risk Management (CFIのPTSより)
1. Principles of risk management.
2. Risk management process.
3. Level of risk.
 4. Assessing risk.
 5. Mitigating risk.
 6. IMSAFE checklist.
 7. PAVE checklist.
 8. 5P checklist.

 

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