止まってる状態(2番)ですと、Angle of Attackが大きすぎて空気抵抗(Drag)が一番大きくなってしまいます。 空気抵抗が大きくなるので回転速度が遅くなって、逆にThrustが最も強くなるとは限りません。
例えばですが、Cessna 152を停めてFull Throttleにすると2300-2400回転(RPM)前後でしょう。 でも飛行中は回転数がもっと早くなります。 その為、回転数が遅いので最高の推力を出してる保障はありません。
離陸後の上昇中は飛行機の速度も速くなって、プロペラの抵抗が減るので回転も速くなって行きます。(3番ぐらい) 水平飛行では場合によっては2700回転と制限ギリギリまで回転が速くなる可能性もあります。 下降に入ると、Full Throttleでは回転を超えてしまう場合もあります。 高速の4番だと空気抵抗は一番小さく回転も速いのですが、それに比例してAngle of Attackも小さくなりThrustが最も大きくなるとは限らないのです。
角度は大気とプロペラに対してのAngle of Attackです。Pitchでは無いのでご注意を。
C-152/172の様にFixed-Pitchの場合は固定なので、飛行速度によってRPM(回転数)が変化します。RPMが変化すると言う事はプロペラの空気抵抗が変わっていると言う事なので、Angle of Attackも速度によって変わってしまいます。最適な角度であっても飛行機自体の速度が変わると、それから角度(Angle of Attack)が変わってしまいます。その為、プロペラは最適な角度(速度)で飛行できる可能が低くなります。 もっと抗力が低下し回転数も早くなります。
極例で考えると、あまり飛行機自体の速度が早くなるとChord Lineとプロペラの移動方向が、ほぼ同じになって推力がかなり減って行きます。 まあ、飛行機にはVneが有るので、現実の速度でこんな事になるのは考えにくいです。
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