Governorの内部にはFlyweightと言うオモリが回転しています。図では緑の部分です。このFlyweightはエンジンの回転でグルグル回っていて、遠心力で開いたり、閉じたりしています。 この動きがGovernorの原理であり、その動きでGovernorからプロペラへのOil Pressure オイル圧を変えます。
右の図はFlyweightの動きを表しています。 図では止まっていますが、実際ではエンジンに直結しており、高速で回転しています。 遠心力が基本となってます。
エンジンの回転数が適切ですと、プロペラに送られるオイルの流れは止まります。 止まった状態ではプロペラも変化しません。上の図では回転が早すぎる状態です。 この状態では、オモリが遠心力で外側に広がり弁が開いて、高圧のオイルがプロペラに流れます。 (図ではピンク色の部分でPilot Valve Plungerになります。)逆に回転が遅いと遠心力が下がり、弁が反対側に開いて(Plungerが下がり)、オイルの流れが反対になります。 右の図で遠心力とGovernorの動きの関係を理解して頂ければと思います。(下の部分が省かれているのは、種類によって大きく変わるので省いてます。)
オイルが流れると、プロペラのピッチが変り回転数が適切な速度に戻ります。 これで、飛行機の速度が変っても一定のAngle of Attackを保ってくれる様になります。
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ON SPEED |
OVER SPEED |
UNDER SPEED |
適切な速度で、Flyweight がバランス良く回転している。
オイルの流れも止る。 プロペラは一定。 |
回転が速すぎて遠心力が強く働く。そしてFlyweightが開いている。
開く時にPlungerを持ち上げ、エンジンオイルが流れ、プロペラのピッチが大きくなる。 |
回転が遅く、遠心力が弱まり、Speeder Springと言うバネの方が強くなる。
Plungerが押し下げられ、オイルが逆流してピッチ角度が小さくなり、加速する。 |
適切な回転速度をON-Speedと言いまして、早すぎる状態をOVER Speedと言いFlyweightと呼ばれるオモリが広がり、それに連動した棒状のPilot Valve Plunger(バルブの物、弁)が持ち上がります。 逆に遅くなるとUNDER Speedと言う状態になって閉じて、バルブが下がります。 このPlungerと言うバルブの様な物の動きで、プロペラに送られるエンジンオイルを調節しプロペラを自動調節します。
飛行機の状態 |
Propの回転 |
状態 |
Flyweightは |
オイルの流れは |
その結果 |
そしてPRMは |
同じ速度で飛行 |
適切な速度 |
ON-Speed |
倒れない |
無い |
Propピッチに変化無し |
一定
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飛行機が加速 |
回転数が早い |
OVER Speed |
外側に倒れる |
弁が開いてPropへ |
Propピッチが大きくなる |
下がる |
飛行機が減速 |
回転数が遅い |
UNDER Speed |
内側に倒れる |
弁が逆に開く |
Propピッチが小さくなる |
上る |
(プロペラの中に有ると思っている人が居ますが、それは違います。 Governorはエンジン本体に付いています。 プロペラの中にはピストンとシリンダーが付いていて、そのピスト
ンの動きでプロペラの角度を調節します。)
操縦士の人は整備士を目指している訳では無いので、これぐらい理解してくれれば大丈夫でしょう。
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