このプロペラは自動的にプロペラの角度(ピッチ角)が自動的に変わってAngle of Attackが一定になる様に作られています。プロペラも翼と同じですから、それぞれの条件下で最も効率の良いAngle of Attackが決まっています。 Constant-Speed Propでは回転の変化を自動的に感知し、そして自動的にプロペラのAngle of Attackが一定になる様に作られています。 それによって操縦士が選ぶ効率の良い、プロペラの迎え角(回転数)を自動的に保ってくれます。
一般的な飛行機のFixed-Pitch Propでは速度によって、このAngle of Attack(角度)が変わり効率も変わります。その為、Fixed-Pitchの場合はプロペラの効率が最適になるのは一部の速度だけで、それ前後では効率が落ちます。
出力が一定でAngle of Attackが一定と言う事は、プロペラの抗力が一定で回転速度も一定(RPM)になります。 飛行機の速度が変わっても空気抵抗(Propeller Drag)は同じなので、違う書き方をすると、、、、Constant Speed Propellerは、
- Airspeedが変わってもRPMは一定 = プロペラの空気抵抗が一定 = プロペラのAngle of Attackが一定
- プロペラの Angle of Attackも一定 = Airspeed変化によるプロペラ効率は同じ。
- 広範囲のAirspeedでも適切なプロペラの角度が得られる。(一定の迎角を維持する。)
- 機体の速度変化が有っても、自動的にプロペラの効率が維持される。
- Constant-Speed Propは飛行機自体の速度では無く、プロペラの速度を一定にすると言う意味です。
上記の事は、離陸や巡航中の事です。エンジンを多く使っている一般的な飛行状態と想定して下さい。 着陸時やTaxi中などにエンジンの出力が弱くなると、空気抵抗が強すぎると言うのか、プロペラが重た過ぎると言うのか、回転数は一定では無くなりFixed-Pitchの様に回転数が下がってきます。
エンジンの前方にはプロペラが付いている訳ですが、Constant-Speed Propeller
ではプロペラとボルトだけでなく、複数の部分が有ります。 (この分け方は人それぞれなので、色んな意見が有るでしょうけど、どれでも正解です。)
- Propeller Blade(羽)の取り付け部分
- エンジン本体にですが、回転数の変化を感じてオイルを流すガバナー Governor
- オイル圧の変化を感じる部分 (シリンダーとピストン)
- Propellerの角度を変える部分 (シャフト、ギアなど設計による)
- そして、それらを空気抵抗からカバーするSpinner
(写真は八尾空港の関西アビエーションさんの入り口に飾ってあった物です。
1995年に最高の航空整備を行われて居ると書かれているので、メーカーからの
記念品でしょうか。分り易いので、それを参考にしてみます)
Constant-Speed Propellerの場合は、写真の様な物がSpinnerの内部に有ります。 そこにはプロペラが付いており
、内部には油圧や遠心力、バネの力でプロペラの角度が変わる用になっています。右の写真で赤色の矢印で示している所がSpinnerの中にあります。
内部にはピストンやシリンダーなど色々な部品があって、プロペラを支えるだけでなくオイル圧や遠心力などで自動的に Propeller Pitch が変わる様になっています。 Engineに付いているGovernorからのOil Pressure (高圧のオイル) を受け
取る部分 (ピストン等)と、プロペラを取り付けてオイル圧などでプロペラの角
度を変える機能があります。
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