- 飛行機の速度が変わる。
- プロペラの空気に対する角度が変わる(Propeller Angle of Attack) 効率も変化する
- プロペラの空気抵抗が変わる。 (回転による抗力)
- 回転数、エンジン&プロペラ速度が変わる。
- GovernorがRPMの変化を感じて、プロペラ内のOil Pressureが変わる。
- そのOil Pressureでプロペラの角度が変わる。 (元に戻そうとする方向で変化します。)
- 角度が変わるので空気抵抗が変わって、空気抵抗が元に戻る。
- RPM、回転数も元に戻る。
- Governorも元に戻り、Oil Pressureも元に戻る。
- Propellerのピッチ角は変化したままだけど、
- 結果として、Propellerは同じAngle of Attackに戻る。 (同じ様な空気抵抗には、同じ様なAngle of Attackが必要)
- プロペラ効率も殆ど変わらない。 (Fixed Propなら飛行機の速度で効率が大きく変化します。)
- 速度が変化しても、自動的に角度が変わり、同じプロペラのAngle of Attackを守る事が出来る。
- 同じAngle of Attackなので、性能はほとんど変わらない。
以上がConstant Speed Propellerの原理です。 分かりましたか? 多分、訳が分からないでしょう? それで普通です。 解説を書いている私でさえ、なんて書けば良いか悩んでいます。 Privateを目指されている方はこのプロペラが付いている飛行機で試験を受けない限り、これを飛行試験で聞かれる事はまず無いでしょうから、分からなくても大丈夫でしょう。
興味があれば、Private Pilotの資格を取られてからConstant-Speed Propellerの付いた飛行機に乗ってみて下さい。 すると、もっと意味が分かると思います。 一般的にCommercial Pilotのレベルの問題でしょう。 Multi-Engine Airplaneなら99%付いているので、Private-Multiを目指される方は、基本的な事だけでも理解しておいて下さいね。
なお、Private PilotでもConstant-Speed Propeller搭載機の操縦は可能です。 その為、C-172で試験を受けてもConstant-Speed Propellerの事を聞かれる可能性はゼロではありません。 でも、試験官が聞く可能性はかなり少ないです。 でも、筆記試験では数問あるのは、Private Pilotでも操縦が可能だからです。 またPrivateのCheck RideでConstant-Speedの飛行機で受験する事も可能です。 この時は、何らかの形で質問されたり、テストされるでしょう。 またCommercialのCheckrideではConstant-Speed Propellerは必須なので、質問される可能性は比較的高くなります。 またMultiではほぼConstant-Speed Propなので、Privateでもそれなりの準備はしておいて下さい。 詳しくは貴方の教官さんと確認してね。
プロペラの角度には 「Pitch」 と 「Angle of Attack」 2つの角度があります。 (まあ、Airfoilである主翼や尾翼も同じです。) 2つは似てますが、意味が大きく違います。勘違いしやすい部分でもあります。 そして高速で回転しているプロペラは、そのちょっとの違いが大きな差を生んでいます。
Pitch は Fixedの場合はプロペラの取り付け角、Constant-SpeedはEngine Shaft(軸)に対しての角度です。
Angle of Attack は 空気の流れに対しての角度です。 Relative Windに対してです。取り付け角だけでなく、飛行機の速度にも影響されます。
Fixed-Pitch の場合、 Pitchは何時でも一定ですが、Angle of Attackは飛行機の早さでコロコロと変化してます。
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