飛行機のプロペラには強烈な力が働き過酷な環境に耐えています。 しかも何十トンとの圧力が掛かるとか。 回転するプロペラの負荷には下記の様な物があります。
- 飛行方向に曲げられる。 (Bending)
- 外側に引っ張っられる。 (遠心力、 Centrifugal Force)
- 空気抵抗で回転方向の反対に押し返されられる (Torque Bending)
- 根元が回転(Twisting)させたりとさせられます。 (これがConstant Speed Propを考える時に重要)
最初の3項目は有る程度の部分はプロペラの強度を増す事でしか対応ができません。 根元で発生する回転、プロペラのねじれ、TwistはFixed Pitchなら固定なので変化する事は無いので、それを計算して強度を強めて設計します。
しかし、Constant Speed Propellerなど、角度が変わる場合は、根元を固定する事が出来ません。 その為、色々な力のバランスで角度を調節する事になります。 色々なシステムが有るので完璧なリストとは言えませんが、一般的な飛行機で考えて見ますとTwistingに関しては
角度を小さくHIGH RPM (Low Pitch, Flat, Unfaether)にさせる物
- ガバナーからのオイルプレッシャー (一般的な物や、一方向のガバナーを想定して)
- Propeller自体のCentrifugal TWISTING Force (Edgeの両端に掛かる力で、Aerodynamic Forceよりも強い)
- プロペラだけで考えると、自然とフラットな状態になります。
角度を大きくLOW RPM (High Pitch, Feathering方向)にさせる物
- ハブ内のスプリング
- ハブ内の高圧ガス
- Propeller自体のAERODYNAMIC Twisting Force(気圧差によって発生、弱い)
- Counter Weight (プロペラ・ブレードの根元に取り付けられたオモリ。 無いデザインも多い)
色々なデザインが有りますので、上記が全てのシステムに適用はされません。 でも操縦士として考えるなら基本的に上記の考えで十分とも思います。 これ以上は整備士の世界です。
飛行中は基本的にガバナーだけが操作する事が可能です。 ガバナーの働きで微調節をしたり、操縦士がProp Controlで指示をガバナーに送り、より快適なフライトを可能にします。
Counter Weight
Constant Speed Propellerではバランスを保つ為に、ブレードの根元に、オモリCounter Weightが取り付けられている事があります。 これは遠心力を利用して、プロペラの角度を大きくする様に設計されています。 プロペラの根元を見るとオモリが付いている場合や、ハブの中心に向いて金属の塊が付いている場合がありますが、それがCounter Weightでしょう。 (一例にこの写真の10番)
Constant Speed Propellerには色々と有りますが、何も無ければ空力でフラットになりますので、それに対抗する様にカウンターウエイトが取り付けられている飛行機も多いです。下記はその例です。
プロペラとカウンター・ウエイトの簡単な関係図
Propeller Twisting Force
回転しているプロペラに掛かる「ねじれ」に関する図 (両方向に力が掛かりますが、フラットにさせる方が強いそうです。)
上、二つの図は整備士のFAAマニュアルからです (AC 65-12A)