Constant Speed Propellerの使い方、操縦方法、計器、コントロール
Constant-Speed Propellerでの注意
Constant-Speed Propを装備している飛行機で一瞬でも行ってはならない設定があります。
それはHigh Manifold PressureでLow RPMの状態です。これは厳禁です。
Pitch Control (Prop Control)を手前に引っ張った状態で、Full Powerにしたり、 Full Throttleの時にLow RPMにしてしまうとエンジン等が壊れてしまいます。 プロペラの抵抗が強いのに、エンジンが反対の方向に全速力で馬力を出すので、内部にすごい負担がかかります。 特にシリンダーに負担が掛かりますが、プロペラにも物凄い圧力が掛かります。
エンジンは高出力を生み出しています。高出力の時に空気抵抗の強いHigh Pitch (Low RPM)の状態になると、回転を最大限の力で行ってうエンジンに、最大の抵抗を与えてしまう事になります。 プロペラの抵抗とは、エンジンの力に反発する物です。 その為、高出力の時に、空気抵抗が最大であるLow RPMにすると、二つの対抗する作用が物凄く大きくなります。 エンジン内部やプロペラ等に最大限の圧力が掛かり、エンジン内部を損傷したり、プロペラの構造に問題を起したりします。 特にシリンダー内のストレスが高くなると言われています。
エンジンの出力を上げる |
エンジンの出力を下げる |
厳禁 絶対にしては行けない事 |
先にPropを前に |
先にThrottleを緩める |
High Manifold Pressure |
大きな出力 |
Powerplant Damage |
次にThrottleを前に |
次にPropを手前に |
Low RPM |
大きな抵抗 |
一度、Prop Full Forwardにするのを忘れてFull Throttleにした事があります。 その時は「バァァァーーーーン」との大爆発音がしました。 直ぐにPropをFull Forwardにしたので事無き終えしたが、あれはDetonationだったかなと思います。 反応が遅れていたら、シリンダーかピストンリングを破損していたかなと思います。
数百万円するエンジンで実験を行う気にもなりませんので、他にどんな悪影響が出るのかは不明です。 あの時は運が良かっただけかな。 皆さんは数百万円を無駄にして命を危険にさらす実験はしないでね。
急にFull Throttleにする時は、必ず先にPropがFull Forward、High RPMにして下さい。 逆にFull Powerから出力を下げる時は必ず、スロットルを下げてください。 頭の中が混乱したら、Prop Controlを押し込んで High RPM (Low Pitch)にして下さい。取り合えず先にHigh RPM (Full Forward)にしてたら壊す事をはありません。
Prop Forward |
High RPM |
角が小さい |
Dragが小さい |
RPMが上がる |
エンジン負担は少なめ |
FULL POWER OK |
Prop Backward |
Low RPM |
角が大きい |
抵抗が大きい |
RPMが下がる |
エンジンの負担が大きい |
高出力は不可 |
Constant-Speed Propeller でエンジンを操作する時
エンジンの出力を下げる時は、必ずThrottleから。 (逆にすると一時的にLow RPM、High Manifold Pressure,高出力になってしまいます。)
逆にエンジンの出力を上げる時は、必ずPitch ControlをHigh RPMしてから行ってください。 何度でも書きます。
離陸時はFull Powerになるので、離陸前は必ずHigh RPMである事を先に確認してから始めてください。
Final Approachでは、多くの場合Low RPMになっていると思いますが、Go-Aroundに備えて必ず先にHigh RPMで着陸して下さい。
・出力を上げる時は、必ずPROP CONTROLからです。
・下げる時は、必ずThrottleを先に下げてからですよ。
正しくChecklistを使っていれば問題は無いです。慣れてきて気が緩むと忘れてしまいます。必ず、Checklistを使う癖を付けてくださいね。
特ににGo-AroundやTouch and Goが注意。その次はFull Powerから出力を下げる時はThrottleからですよ。
混乱した時は、High RPM, Prop Forwardにしておけば間違える事はありません。 性能は落ちますが崩壊はしません。