"Partial Panel"もしくは"Loss of Primary Flight Instrument"と言って、計器飛行中に一部の計器システムが壊れた場合の問題です。
この問題の様な時でも、実際でも一番最初に行う事は、どの計器に問題が起こっているのか? 若しくはただ単にSpatial Disorientationに落ち居ているのかと見つけ出します。
現に起こっている問題が分らないと、判断や対処できませんから、まず発生している問題を考えて見ましょう。 どの順番がベストなのかはその人や教官によりますので、順番は貴方の方法に合わせて下さい。 計器を冷静に読み。矛盾を見つけ、そして他の系統で確認するのも良いでしょう。故障時の異常な動きを想定して考えるのも方法です。バンク(旋回)とピッチ(高度)の2つの判断が基本になるでしょう。
計器飛行では、何ごとも最初の冷静とリラックス、Cross-ckeckとScanは忘れない様に。冷静で無いと計器は見れないし、Scanを忘れて一つの計器に気が取れらるとフライトがガタガタになるのは経験で分るでしょう。しかもそれが壊れてたら、どうしようも有りません。
Figure 150の場合 |
速度計
Vsなどに向って減速中
80 KIASを下回って、まだ減速 |
姿勢計
水平で左旋回
(小さい飛行機の方向) |
高度計
上昇中
4300 feet 以上に向って |
Turn Coordinator
右旋回
Ballはやや内側、Slipだけど許容範囲 |
Heading Indicator
矢印が反時計回りなので、
右旋回中です (左では無いですよ) |
昇降計
上昇
+500 feet/minの上昇 |
旋回に関して: Gyro系統の計器を見てみます。姿勢計は左旋回でHeading Indicatorは右旋回と矛盾しています。情報源が同じで矛盾しているのは、故障の証拠です。この様な時は情報源が違う計器を参考にします。電気で動いているTurn Coordinatorを見ます。すると右旋回を示しています。ややSlip気味ですが、右旋回していると考えられます。
Pitchと高度に関して: Static Instrumentsは全て上昇を意味しており、矛盾はありません。 姿勢計とは矛盾しますが、姿勢計は信用できませんから故障は無いに等しいでしょう。 高度計は増えていて、昇降計も上昇。速度もVsに向かうぐらいですからPitchは上ってます。
その結果、バキューム系統の故障があり、Pitch Upしながら右旋回をしていると考えられます。
この問題がOne Instrument(一つの計器)と明記しているので、Turn CoordinatorとStatic Instrumentsと矛盾している姿勢計(Attitude Indicator)に問題が有ると考えられます。 この様な場合は、Heading Indicatorの信頼度も落ちます。Suction Guageが異常を示してるかを確認する必要がありますね。 Vaccumが無ければ信用はしない方が良いでしょう。 正常なら、Turn Coordinatorと確認しながらHeding Indicatorを使うと良いでしょう。 Compassと確認をする回数も増やした方が良いでしょう
この様な時は故障した計器を見ていると勘違いするので、紙蹴れなどで計器を隠すのも良い方法ですよ。 隠した後もたまに計器が回復していないか確認はしてね。生き返る時もあります。 実際に、Attitude Indicatorだけが故障した経験があり、紙で隠していたら、気が付いた時に復活していた事もあります。
注意: 計器飛行ではどんな時でもScanとCross Check。異常な表示をすると、本能的に目がそこにに行ってしまい、他の計器が疎かになります。 Fixationと言う状態は危険ですから、どんな時にもCross CheckとScanningを忘れずにしてください。