IFR to Scottsdale Airport 79KB 20秒
さて、今回のIFR Clearance(計器飛行の認証)の説明です。
King Air 72DK, (Clearanceが渡される相手、ビーチクラフトのKing Air N72DK)
You are cleared to the Scottsdale Airport. (計器飛行の許可がScottsdale空港までです。)
After departure, Turn left heading 270. (離陸後は左に旋回して270度を守ってください。)
Radar Vector to Mission Bay VOR, (Mission Bay VOR レーダー誘導します。)
Then as Filed. (その後は、Flight Planにファイルされたルートで)
Maintain 3,000 (高度は3,000フィート)
Expect Flight Level 230, One Zero Minutes after the departure.
(出発後10分でFlight Level 230と予測して置いてください。)
Departure Frequecy is 119.6, (離陸後の周波数は119.6MHzです。)
SQUAWK 6723. (トランスポンダーは6723に合わせて下さい。スクオークとも言います)
You are cleared to the Scottsdale Airport. これは計器飛行の許可が何処までかを伝えています、アメリカの場合は、殆どが空港まで許可を出してくれますが、途中のVORやIntersectionの場合も無いとは言い切れません。もちろん、離陸する空港の天候だけが悪く、パイロットから途中までIFRをリクエストをする事も可能です。
After departure, Turn left heading 270. 出発後はHeadingを270と言っていますが、浮いた瞬間に旋回する必要はありませんし、ある程度の安全高度を得てから旋回してください。離陸直後の障害物回避義務はパイロットにあります。 MYFですからRunway 28が多く10度ぐらいですが、逆風とかでしたら170度の旋回が必要となるので、急いで旋回する必要もありません。 教官と飛行する時には、離陸する前に、どこで旋回するか確認はした方が良いでしょう。 まあ私なら500フィートを基準に考えますけど、人や空港によって違いますので教官と確認してください。
Radar Vector to Mission Bay VOR, これは管制官Departure Controlが「Mission Bay VORまでRadarで誘導します。」と言っています。 下記が離陸場所のIFR図です。(Low Altitude Enroute Chart)
Radar管制下ではどんなコースが取れれるかは、その時に変わります。状況によっては、このVORより先の方まで誘導してくれる可能性もあります。予想ではV-66と思うので、そのV-66の上に乗せるかPoggi VORか、適当にTrafficを避けて、東の方向へ行かすか、それとも自力でHAILE Intersectionに行かせるか、それとも全然違う方か、等は実際に離陸しないと分かりません。 ただこのクリアランスでは、離陸直後に無線機が壊れた場合を想定しているのが有りますで、Mission Bay VORに行くよと言ってるだけで、実際は変化する事も多いです。
Then as Filed. ここからFlight Planのコースで飛行してください、と言う意味です。計器飛行で飛行(離陸)する場合は、先にFlight Planの提出(File)が必要となります。そのプランはVFRよりも詳しくルートや高度を記入する必要があります。もし、Flight Planで要求したコースの許可がでれば、As Filedと言われます。 この場合は、Mission Bay VORから Scottsdale空港までFlight Planで提出されたコースで飛行してください、と言う意味です。
Maintain 3,000 これは飛行高度です。3,000フィートMSLです。まあ高度計の示す3,000フィートで。
Expect Flight Level 230, One Zero Minutes after the departure. 離陸後は10分でFlight Level 230 (高度23,000フィート)の予想をして置いてください。 これは離陸後に無線が故障した場合は、最初の10分は3,000フィートで、そして10分したらフライト・レベル230まで上昇してください、と言う意味です。これも無線機が壊れた場合を想定しています。 なお10分は、Ten Minutesと言う時もありますが、正式な言い方ではOne Zero Minutesとなります。これは誤解を防ぐ為ためです。
参考に、、、、1
Flight Levelについて、高度計は18,000フィートを越えると、Altimeter Settingに関わらず、29.92に合わせる様にと決められています。高高度では高速で飛ぶ飛行機も多いので、皆が29.92に合わせて飛行する事になります。(エベレスト級の山岳地帯じゃない限り、山にぶつかる事はありませんからね。) すると高度計にも誤差が生じるので、Altitude(高度)と言わずにFlight Levelと言うものを使う事になり、100フィート単位で計算されます。この音声の様にFlight Level230(略してFL230)だと、23,000 feetと言う意味になります。 (高度計を29.92に合わせて表示高度が23,000に成るようにです。厳密にはPressure Altitudeで、100フィート単位で表した物ですね。)
参考に、、、、2
Flight Levelを使うのは18,000 feet MSL以上ですので、Class-A Airspaceになります。 Class-Aは計器飛行のみの空域ですので、IFRが無いと飛行はできません。 それにChartもHigh Altitude Enroute Chart が必要になります。Airwayの名前もVictorから単に「J」と呼ばれるJet Routeに変わります。 上の参考図はLow Altitudeで皆さんがお世話になるチャートで、Airwayは全てV-と表示されVictorと呼ばれます。
Departure Frequecy is 119.6, SQUAWK 6723. 離陸後のDeparture Controlの周波数です。離陸はTowerとの交信で行いますが、それ以降はDepartureが行うことになります。この空港ではSoCal Departureになって、周波数が119.6MHzとなります。(場所によっては、CenterやApproachが担当する場合があります。)トランスポンダーは6723にして下さいという意味で、これはVFRの時と同じでです。また先に伝える事によって周波数等をを合わせる事が出来るので、離陸直後の操作が楽になります。
後はRead Back、復唱して正しければ、離陸の準備が整った事になります。 Read Backは全く同じ様に言っても良いし、略してもOKです。パイロットが理解して、それが管制官に通じればOKです。
私は"2DK, cleraed to Scottsdale, after takeoff turn left 270, Rader Vector Mission Bay VOR, then as filed, maintain 3,000, expect 6,000 after 10 minutes, departure frequency 119.6, SQUAWK 6732" ぐらいお勧めかな。まあ教官によっては違うので、そこらは確認してください。
"2DK, Cleare to Scottsdale, Left 270, Mission Bay, as flied, 3,000, 6,000 after 10, 19.6, 6723"と言っても別に良い可能性もありますが、慣れるまでは100%お勧めとは言えないし、日本人のアクセントを考えるともう少し、丁寧に言った方が見の為とも思います。早すぎると確認も難しいし、面倒になって分からなくてもOKを出されたら危険でしょ。やはり上手いパイロットは表面の操縦より、危険回避が上手ですから。
計器飛行では、無線機の故障が有ると前提にされて、運行されています。 その為、官制官からの一方的な指示だけでなく、あなたからの応答(Read Back)、とその応答の確認がされて、初めて成立します。ですから、IFRのクリアランスが出されると、必ずRead Backして下さい。 相手に理解できた事だけでも仕えることが出来れば、言い方は多少、変化してもOKです。 (ここらや、上空での交信が日本人パイロットにとって壁になるでしょうけど、これでATCとの交信能力が飛躍的に進歩しますよ。その為にもIFRは「超」お勧めです。)