Tower Enroute Control (TEC)
このTower En Route Clearanceとも呼ばれる物は、Appraoch Controlが連続している空域にある空港間で行われている可能性が高い、特殊なIFRでの飛行方式です。 Centerの空域を飛ばずに、Appraochの空域だけで飛行を完成させる事の可能な計器飛行で使われる方法です。 このTECが可能な所ではIFR Flight Planをファイルしなくても計器飛行が可能になります。
Centerが含まれない為、色々な段階を省く事が可能で、管制官や操縦士にとって飛行しやすい方法です。 ここの段階とは操縦士には見えない場所で行われている、管制官での世界の事です。
またSOCAL地域は全米でも特殊で、多くの人が使い、また頼っています。 この地域(南カルフォルニア、SoCAL)ではFAAが各ルートにTEC専用にRoute IDを付けたりと他の空域より使いやすくなっています。
他の地域では、存在していてもTECの事自体を知らない人や教官も多いぐらいです。 A/FDに書かれているNortheast (Mid-Atlantic)に有るAOPAのPilot Center専属の教官でも経験が無い人が多いぐらい。しかし、この南カルフォルニアでは、話によると、TECを知らないとか、準備ができて居ないと、管制官が不機嫌になる位だそうです。
この地域に関しては、このBlogの方に協力を頂きました。 (LA Flight DiaryのC2さん)
3番目: IFR Clearance from MYF to Van Nuys
このクリアランスは、TECが使われて、ちょっと他とは違うので音声を乗せました。 ただ、すいませんが機体番号が抜けてます。正直、TECは知っていたのですが、SOCALの方式は特別で、初めて聞いた時は「なんじゃそれは?」って感じでした。今後を考えると、知っておくべき事かと思います。 特にSOCAL Areaで計器飛行を狙われている方は知っておいて下さい。
SOCALではクリアランスのルート部分では、Route IDと呼ばれる、省略形が使われる場合が有ります。違う地域では、省略形が無いのですが、SOCAL形式のRoute IDは増えていく可能性はありますので、参考に読んで下さい。 C2さんだけでなく、フォーラムで質問すると、アメリカ人でも便利で多用して居ると言います。
TECの存在を知っている人が限られているので、A/FDに書かれているSOCALやNortheastの範囲か近くで訓練しない限り飛行試験で聞かれる可能性はまあ低いと思います。 しかし主要空域で使われているので、実際の飛行でも驚かない為にも理解はしておくべきです。それにPTSには含まれています。)
・ IFRのPTSへのリンク。 AREA III の A の 1 に書かれています。
ただ、私が訓練をしたサンフランシスコ付近では、Tower Enrouteは有り、意外と多くの地域でTECが有ります。
"..... request Tower Enroute to Oakland...."とGround Controllerに言えばIFRクリアランスをくれたんです。
ただ、SoCALエリア(南カルフォルニア)と違って、ルートが公表されてませんので、
IFR Clearance自体は同じ様な物でした。
聞いてみて:音声データ IFR to Van Nuys 68KB 17秒
You're cleared to Van Nuys Airport,
On Depature, Turn Left Heading 270,
Radar Vectors to Oceanside VOR,
Then San Diego Mike One Two, Routing to Van Nuys, (ここがTECで、知らなかった所です。)
Climb and Maintein 3,000.
Expect 6,000 after One Zero Minute after Departure,
Departure Frequency 119.6,
SQUAWK 5315
TECクリアランスの解説と説明
上記の太文字以外は、他のクリアランスとほぼ同じですので、ここでは省略します。
気になる方は、1番目と2番目を参考にして下さい。
これの問題は”Then San Diego Mike One Two, Routing to Van Nuys,”の部分です。
本当に始めて聞いた時は「何だこれは?」でした。 色々と資料を見ていると、Airport Facility Directory の所に出ていました。 始めは「Prefered IFR Route」を見ていたのですが、Mike One Twoなんで出てないし、アプローチ・プレートを最初から最後まで見ても無いし。。。。それでも意地で答えを見つけました。(SOCAL Areaの人は普通に知っていますけど)
答えはTEC, Tower Enroute Controlでした。(カルフォルニアのTECエリア)
これは空域、Terminal Areaが入り組んでいる所に、設定されている場合があります。 Enroute Chartには表示されていないルートや、特別に低い高度の飛行を可能にしたりして、空の渋滞を解消したり時間を節約する為に作られています。 (地域によって作られ方や表現方法も変わります。ここはLAX/SANを基本にしてます。)
AREA
上記はカリフォルニア用のA/F DのTECの部分で、今回の離陸空港(地域)をスキャンしました。 沢山有るので関係の無い所は、消しています。 MYFや国際空港を含むサンディエゴ・エリアからの一覧です。目的地が「TO:」の所に書かれています。
TO と ROUTE ID
今回はVan Nuysが到着空港ですから、TO(行き先)の"BUR VNY"の部分を見ますと二通りのルートがあると分かります。(BURは隣のBurbank空港で、VNYがVan Nuysです。) ROUTE ID(ルートの名前・名称)で SANM12と SANM13が有るのが分かると思います。 (SANはSan Diego国際空港の略語です。)
SANM12は San Diego (SAN) M12 (Mike One Two)の略です。
ROUTE
もしクリアランスにSan Diego M12 Routingと言われれば右側の赤い長方形で囲まれたコースを飛行する事になります。 そのコースは、
Oceanside VOR
Victor 23
Seal Beach VOR
Seal Beach 272 Radial (outbound)
Santa Monica 123 Radial (Inbound)
Santa Monica VOR
Santa Monica 311 Radial (outboud)
SILEX intersection.....
以上の様になります。
TECを指定しなければ、クリアランスを貰う時に長いクリアランスにな可能性が高くなります。
San Diego M12 Routing で終わるのが、 この長い
Oceanside VOR, Victor 23, Seal Beach VOR, Seal Beach 272 Radial Outbound, Santa Monica 123 Radial (nbound, Santa Monica VOR, Santa Monica 311 Radial Outboud, SILEX intersection, then direct .....
に変わる可能性があります。
ALTITUDE
これは分かると思いますが、高度です。以下の分は南カルフォルニア・エリアですが、航空機の種類で変わります。 SANM12は PQ60と成ってるので、6000フィートなんですが、先頭の記号で航空機の種類が分かれています。
J = Jet Powered (Jet機)
M = Turbo Props/Special (ターボプロップか特殊機)
P = Non-Jet (Cruse 190kts 以上) 巡航高度が190ノット以上のNon−Jet(プロペラ機など)
Q = Non-Jet (Cruse 189以下) 巡航高度が189ノット以下のNon−Jet(プロペラ機など)
正直、TECの無いエリアで訓練される方は、試験でも聞かれる事は少ないと思います。でもSOCAL (Torrance、Long Beach, Montogomery, Gillespie, El Monte空港など)で訓練されている方は知っておくべきでしょう。 全部を調べるは不可能なのですが私が調べられた範囲はでは A/FDに書かれているのはロサンゼルス・サンディエゴ・サンタバーバーラ付近、東海岸の中北部に(ヴァージニア・NY・メイン州にあるだけで、範囲は少ないですが、実際には、Approach Control Airspaceの有る重要地域に有る空港に多いと言う事も頭に入れて置いてください。
存在はTowerやRadarの有無では無く、管制官の合意であるLOA (Letter of Agreement)が存在するかで決まります。
FDC (Flight Data Center)にも登録されていませんので、実際に有るかは、Towerに聞くのが早いです。
TEC Tower En Route Control, Clearance, Tower-to-Towerの説明
昔に作った参考ページ