5.着陸する時の交信方法
Towerの有る空港に着陸する場合は最初にATISを聞いてから交信を始めます。場所は10マイルぐらいがお勧めなんですが、有名な報告地点(Check Point)があるならそこから交信を始めます。基本的は、一番最初に書いた文法の通りに始めます。 1,2,3,4とまず頭の中で整理しましょう。
航空無線は大体、言う事は大体決まっています。
1. 相手は? (例 Nintendo Tower, Play Station Tower)
2. 私は誰? (例 Cessna 2727F, Bonanza JA-3815)
3. 今は何処? (Check Pointそれとも距離と方向、それに高度もあれば。)
4. リクエスト? (例 Request Landing with (ATIS Code))
以上を頭の中で整理しましょう。
Initial Contact: (最初の交信例)
Nintendo Tower, Cessna 2727F, over Lake Big Onigiri at 3,000 feet, request landing with Tango.
Umeboshi Tower, Cherokee 123AB, 10 miles north, landing with Delta.
Katsuo Tower, Baron 111AA, Departing Bushi Airport, request landing, Information Kilo.
Towerの応答は、着陸滑走路、その滑走路への入り方、SQUAWK、あればReporting Pointを言います。もし他にも航空機が近くに居りすると"Traffic...."と言って教えてくれる場合もあります。SQUWAKとはTransponder(トランスポンダー)に合わせる番号(コード)の事です。ここで言うTransponderとは航空管制レーダーに反応する装置です。レーダー波と受信すると、信号を送り返します。その信号を見て管制官が航空機の存在を確認し、効率よく、より安全に航空機を管制します。
Towerからの返答例:
"Cessna 2727F, Nintendo Tower, make straight-in Runway 28 Right, SQUAWK 0400."
(SQUAWKとはTransponderを0400等と指定した物に合わせることです。管制レーダーに反応します。)
これに対する返答例
"7NT, straight-in 28 right, 0400"
と短い方が喜ばれます。別に長くても良いのですが、それよりも相手に分かりやすく、短く、確実にが基本です。
"Nintendo Tower, Cessna 2727F, Roger, Make a straight-in for Runway 28 right and SQUAWK 0400”
と言っても良いのですが、無線の混線や無駄を生む可能性があるので、簡略化をお勧めします。発音が上手く無い間は、短くした方が通じやすいですよ。無駄に発音の悪い単語を入れて混乱させない様にしましょう。初期の頃は教官に言われた通りで十分です。
他の交信例
Cherokee 3AB, Umeboshi Tower, SQUAWK 3200, make left base entry Runway 25, report, 2 mile base.
(「report xxx」 とは xxxxで報告してくださいと言う意味です。 この場合はBaseで2マイルで報告。多くの空港で「Report xxx」という方針がありますし、レーダーの種類も空港によっては違いますし、無い所もあります。)
Baron 111AA, Katsuo Tower, Roger, enter right traffic Runway 19, SQUAWK 2300 and Ident.
(Identと言われた場合はTransponderrのIdentボタンを押します。すると画面上に印が出ます。)
"Mooney 98765, Yakiniku tower, make right traffic runway 31 Right, SQUAWK 5300 and Indent, Report entering 45. traffic one o'clock......"
(近くに他の航空機が有る場合は traffic .....と言って説明してくれます。
"Bonanza 3815, Shabushabu Tower, ident, fly over mid-field at or above 1,500 feet, then enter right traffic for runway 11 Right, report over mid-field. "
「identボタンを押して、空港の真ん中を1,500 feet以上で横切り、Runway 11 RightのRight Traffic入ってください。空港の真ん中で報告をお願いします。」
(TransponderはそのままでIdentボタンを押します。1200のままでもです。大きな空港ではこの様な上空を横切って、反対側のRunwayを指示してくる場合もあります。多くの場合、手前の滑走路がAirline用なのか、計器飛行でおりて来る飛行機が居るのでしょう。単にLeftをAirline、Rightを小型機に割り当てている場合もあるでしょう。またVFR機に対しては、通常では高度の指定はできません。この様に1500フィート以上とか言います。)
分からない場合はSay Againと言って聞きなおしてくださいね。「恥ずかしい」、「カッコが悪い」は言い訳になりません。事故を起したり、他人な危険な目にあわせるのは最低です。事前に勉強をしておけばSay Againを最小限に抑えられます。また日本人の文化では、分からない事でも、何でも「はい」と答える考えがあります。相手が日本人ならともかく、アメリカ人に対しては分からない物には「いいえ」と言いましょう。彼らはYes/Noをハッキリと言いますし、日本の考えは通じません。また日本国内であっても、分からない事に対して「Yes」は厳禁です。
免許を取って、飛行機に慣れてきて来た時でも、着陸する空港に対しては出来る限りの事を想定しておくと無駄な事を聞かずに済みます。少なくとも空港の見取り図や空港の状況を、頭に入れて置く方が無難です。できればTowerやGround周波数はもちろん、ApproachやCenterの周波数も調べておくと慌てずにすみます。
管制官が分からなかった場合は、管制官もSay Againと言います。発音の場合もあれば、忙し過ぎるのもあるし、逆に暇すぎて心の準備が出来て居ない時もあるでしょう。
全くわからな場合は "Aircraft Calling Temprura Tower, Say Again"
Call Signが分からなかった場合 "Aircraft Calling Temprura Tower, Say Again your Call Sign"
(Call Signは無線の呼ばれ方(名前)です。アメリカの場合は、機種+機体番号です。N-抜きます。)
場所が分からない場合 "Saratoga 66666, Sukiyaki Tower, Say again your position"
ATISが分からなかった時: ".... 言う事を言ってから ...... verify you have information xxx" や Do you have (ATIS) Information xxxと返答してきます。 Verifyとは確認して教えて下さいと言う意味があります。
忙しすぎて対応出来ない場合は
"...... remain clear of xxxx, Class Delta Airspace until advised"
「呼び出すまで管制しているClass-DOには入らないでね。」 remain clear of xxxx とは xxxxに入るな!って意味です。 管制官によっては、数分間ほど空域外で待機するようにも言うかも知れません。これは管制官によります。
Approach(進入)してから、前との距離が短くなった際は(若しくは違う方向から航空機が入って来て距離に余裕が無い場合も)、間隔を開ける為に
"... Make Right (Let) 360......"
と言って、360度旋回させて時間を稼ぐ場合もあります。操縦士の判断で距離を開けたい場合に左右への旋回(S-turn)するは許可は不要です。
着陸許可
この様なやり取りがあったりして、最後に着陸が許可された場合。
".... Runway .... Cleared to land ...."と言います。
この"Cleared to Land"が着陸許可で、これを言われると着陸する事が許されます。これがLanding Clearanceと言うものでTowerのある空港ではこれ無しでは着陸出来ません。
忙しい時や知らない空港に行って"Cleared to Land"と言われるとホッとしますよ。
平行かそれに近い形で横に滑走路がある場合、たまに着陸用の滑走路が変わる時もあります。離陸する飛行機や、ほぼ同時期に着陸する航空機がある場合などです。
"... change to Runway 28 Left, cleared to Land ...." たまに"side step"と言われる事もあります。これは「横のに」という意味です。
Go Around やり直し
何らかの理由で着陸が安全に行えなう事が出来ないとなった場合、"Go Around" と言われます。他に航空機が居た場合、管制官か操縦士のミスが発生した場合、自然の物による危険性が起こった場合など色々と考えられます。"Go Around"は操縦士の判断で、行い、宣言する事も出来ます。
Towerより
"Aeronca 12345, go around, traffic on the runway, make left traffic..."
"... go around, a dog is on the runway, I will call your crosswind...."
".... go around, Cessna is making an emergency landing ....."
操縦士より "1AA, go around, request close left traffic"
滑走路に問題があったり飛び立つ飛行機や着陸してくる者が居る可能性があるので、安全な体勢になれば滑走路の横を平行に飛びます。
Land and Hold Short Operations (LAHSO)
大きな空港でよく使われているOperation(方式)です。この場合は、着陸しても良いが、指定された場所までに停止する事が義務付けられた方式です。
"Cessna 7NT, San Fransisco Tower, cleared to land ruway 28 Left, hold short runway 19 Left......"
v着陸は許可しますが、Runway 19 Left までには停止しなさい。
危険性が含まれているので、必ずRead Backをして下さい。義務付けもされているでしょう。ATC Clearanceでもありますので必ず厳守してください。大きな事故になる場合があります。小型機等で多くの着陸距離が不要な場合などでLAHSOを使い、開いたスペース(他の滑走路やTaxiway)で離陸、着陸、タクシーを可能にします。LAHSOは危険性も高く、大事な事なのでこの件に関しては教官に詳しく聞いてください。
もちろん自信の無い方はLAHSOを拒否できますし、Student Pilotなら拒否するべきです。滑走路の全長で使えるようにリクエストするべきです。飛行時間に関係なく、空港に慣れて居ない場合や天候の悪い場合でも拒否できます。もし一度受け付けてしまった場合にはTowerからの許可(Amendament)が必要となります。LASHOを使う多くの場合には離着陸する飛行機が居り、大きい空港なら大きい飛行機の可能性が高いとも理解しておくべきですし、忙しい空港であるとも簡単に想像できます。自信が無いなら、最初からLAHSOが行われている空港に行く事を避けるべきです。
指定される場所は、滑走路が多いですが、一部では多く使われるTaxiwayもあります。LAHSOはATC Clearanceの一種で、一度パイロットが受け付けると緊急以外には無許可で取り消す事が出来ません。緊急時以外はGo-Around や Touch-and-Goが出来ないと言う意味です。これの目的は、空港の有効利用です。2本の交差する滑走路があれば通常は同時に使う事は出来ません。 同時に他の航空機が離着陸する場合も多いので、無視や守れないい場合は、非常に危険です。
Student は拒否すべきと書きましたが、正確にはStudentは禁止と思って下さい。 慣れない飛行機でも禁止とした方が賢いです。