5. Traffic Advisory (飛行交通情報) ApproachやCenter も少々
Approach and Departure Control, Centerを少々
このセクションは クロスカントリー用です。離着陸の練習には不要です。
大きな空港の回りでは、管制塔だけでは管制が出来ません。その様に多くの航空機が飛行している管制する為にApproach ControlやDepartureがあります。Towerが離着陸関の業務を行い、Approachが空港に近づいていく航空機を、そしてDepartureが上昇・出発して行く機を一緒になって多くの航空機を安全に管制します。また途中の空域では、広範囲を管制するCenter Controlが管制しています。またその様な大きな空港の回りにある空港の航空機も管制する場合も有ります。離着陸をせずに通過するだけの航空機も管制します。
ApproachとDeparture Controlの空港の外側を管制するのTRACONとも言います。
空港の間など、広い場所、En Routeを管制するのを Air Route Traffic Control Centerと言います。
私達の多くはVFR機なので、Class−Bや−C Airspaceに近づかない限り、法的な交信義務はありません。Centerはかなりの範囲を管制していますが、計器飛行以外では交信義務はありません。
基本的には着陸していく航空機をApproachが管制して、離陸していく物をDepartureが担当します。周波数が同じ場合もあれば、違う場合もあります。 空いている時間帯では一人の管制官が複数のエリアを管制する場合もあります。またApproach Controlが無い所や離着陸に影響が無さそうな上空ではCenter Controlが広範囲に渡って管制を行ったり,IFR機(計器飛行をしている者)に指示を出したりします。Approachが有ってもある程度の高度以上になればCenterが管制する場合もあります。 基本的にはデータを供給しあっています。 現在では殆どのエリアでレーダーが中心的な役割を行っています。 しかしRadarは万能では無いし、全ての空域でRadarがある訳では無いのも思えておいて下さい。 (これは計器飛行をしていても、です。確かに稀ですが。)
どうでも良い事なんですが:
普通、Air Traffic Control Tower (ATCT)と言うと管制塔の事ですよね。 これで間違いは無いです。 でも、定義を変えると、これらのApproach や Departure Controlを含めた物を Tower と言う時があります。 この場合では管制塔をLocal Control や Tower Cab と言います。 正直、私は区別が付いていません。 が、場合によっては意味が変わる場合が有ると思えておいてください。 まあ、ATC Controllerの世界でしょう。 私ら操縦士には混乱の元です。「こんな区別方法が有るんだな」程度で終わらせて下さいね。
Class-B and Class-C Airspace
この空域に入るには、Approachと交信する義務があります。 着陸が目的の場合は、 基本的には、後に書く、Class-Dへの着陸手順とは似ていますが、範囲が広域で、比較的忙しくて、ちっと複雑になる時が多いです。離陸する時もTowerからDepartureへ交信するようにと指示される場合が多くなります。
なお、Class-Cに入る場合はApproachやTowerなどとのTwo-Way交信が義務付けられます。 Class-Bでは、交信だけでは無くて、Class-B Clearanceと言って、管制官から確実に入っても良いよと言う意味の許可が必要となります。 また装備などでも、色々な物が必要となってます。
Class-Bでは ".... CLEARED to enter..." と言う様に、確実な承認が無いと飛行が出来ません。
低空飛行で行く場合は、最初っから直接Towerとの交信も可能ですが通常はApproachと最初に交信します。 もしくは、空域の手前でグルグルと旋回させられて時間が無駄になる場合もあるので、かなり手前から交信した方が良いでしょう。
Flight Following - Radar Traffic Following (Radar Traffic Information Service)
VFR機が比較的長い距離を飛行する際に、管制官にRadarでのTraffic Advisoryや監視などの情報が欲しい場合に使います。100%の保障は無くてもRadarで他の飛行機との監視をしてくれるので、かなり便利なサービスです。管制官も私たちの目的などや緊急の場合に指示が出せるので喜ばれるでしょう。 (Pilot Requestのみです)
でも、これは管制官の余裕が有る時に、オマケとして行なわれるサービスですので、完璧では無いと心に刻んでおいて下さい。 Workload Permittingです。 また、最近のレーダーの表示では、1200とかPrimaryの信号を消す機能も有るので100%の安心はありません。 本来の彼らの仕事はIFR機を別のIFR機から守るのが役目です。 VFR機は、通常はオマケですが、、、(それでも、かなり助かりますし、助けてもくれます。)
Traffic Followingをリクエストする時は、最初(可能なら離陸前)にその空域や高度を担当する管制官と周波数を調べておく必要があります。忙しそうな空域や大きな空港の近くではApproach Controlが多いですが、何も無い所はCenter Controlになる場合が多いです。 周波数が暇そうなら、リクエストしても良いですが、マナー違反で邪魔です。まあ、それでも周波数ぐらいは教えてくれるでしょうけど。 上空で分からない時は、FSSに聞くのが本当です。
最初(呼び出した後):"SoCAL Approach, Cessna 11111, over xxx, request FLIGHT FOLLOWING to yyy airport"
また "request advisories en route to zzzz Airport"とアレンジする事も可能ですが、ポイントは分かりやすくです。
上記のように伝えます。(文法は何時もと同じです。)するとレーダー管制官がyyy空港までレーダーでのサービスを色々と提供してくれます。また管制空域が変わる時には先に情報を伝達しておいてくれて、次の周波数まで教えてくれます。
また空港名を言っても、その空港を知らない時が多いので目的地の空港コード聞かれる時が多いです。"3-Letter identifier" や "Airport identification" を教えてくれと言う場合があります。 Long Beach AirportならLGB、 サンフランシスコならSFOなどです。 私の英語にはどうしても日本人アクセントが有るので、必ずコードは言うようにしてました。
"Oakland Center, Cessna 12345, OVER Panoche VOR at 6,500, Papa, X-ray, November, VOR, request Flight Following to Las Vegas International, Victor Golf Tango Airport"
この様に伝えます。Identifierに関しては、心配しなくてもアメリカ人でもよく聞かれていますので、アクセントの強い、私は恥ずかしがらずに自分から言うようにしています。 (それでも通じない時も有ったけど・・・ こんな時はユックリ!)
Radar Vector
レーダー誘導とも言われ、希望する地点までレーダーで誘導してくれます。場所が分からなくなって迷子になったと言いっても良いのですがRadar Vectorと言って誘導してもらうと多くの問題が解決します。 Traffic Following管制官の都合で行われる場合もあります。
"Cessna 12345, Request Radar Vector to Torrance Airport, Tango, Oscar, Alpa"
"Cessna 12345, SoCAL Approach, Roger, Radar Vector to Torrance Airport, Turn Right Heading 030"
”... Suggest heading 090..."の様にも誘導してくれます。
交信もして居ない場合に、(呼び出してから) 急に言う場合は、トランスポンダーの設定から始まります。まあレーダーを見て管制しているのですから。
(日本ではRadar Vectorは計器飛行の資格が無いと無理だとかき聞いた事があります。何か信じ難いけど。)
終了時や管制官の担当空域が変わる時 Hand Off
同一の管制官が、全ての範囲を管制しているわけでなく、多くの人が空域を分けて管制しています。その為、境界線に近づくと周波数の変更を言われる時があります。
"Cessna 12345, contact Los Angeles Center on 111.9"
"Roger, contact LA on 123.45," 周波数を111.9に変えて、、、
"Los Angeles Center, Cessna 12345, at 6,500"
多少の簡単な質問やアドバイスはあるかも知れませんが、これでその管制官との大体の事は終わりです。
この後もTraffic Advisoryがあったり、数回のHand-offが続きます。 そのまま、着陸する空港のTowerまでHand-offしてくれる時もありますが、途中でサービスが終わる場合もあります。
レーダー・サービスが終わりの場合は"Radar Serviced Terminated"と伝えれます。これでレーダーのサービスが終わりか、管制空域から離れた、と言う意味です。 多くの場合はその時にTransponderをVFRの1200に合せるように言われます。 "Squawk VFR" や "SQUAWK 1200"と言われます。たまにそのままの場合もありますが、故意的なときも有れば、ど忘れもあるでしょう。 (トランスポンダーについてはこちらを)
おまけのサービス
もし、BravoやCharlie, Restricted Area等に近付くと、進入許可や「入るな!」と言う様な事も言ってくれます。
"Clear to Enter Class Bravo" Class-B空域の飛行を許可します。(Class-BではATCクリアランスが義務付けられています) "Clear to xxx" がATCクリアランスと言うものです。Class-Bには必ず必要です。空港の名前を言う時もあります。
駄目な場合は
"Remain Clear of xxx" xxx空域には入らないように。
"Remain Clear of Class Charlie"
と言う風に伝えてきます。 場合によってはRadar Vectorで回避させられる事もあります。 これはおまけのサービスなんで、交信しているからと言って、何処でも自由に飛べるわけではありません。彼らも忙しくて、言わない場合もあります。交信中でも、何らかの理由で無許可でも、Clearance無しでClass-Bに入るのは違法行為ですし、皆に危険です。 あくまでも自分の位置を把握し、進入禁止空域は無断では入らないように。
"... request Radar Vector around Class Bravo Airspace.."とリクエストする方法も有りですよ。 そこまで言わ無い時は運が良ければ、Class-B Clearanceを向うから出してくれるかも。
また同じ様に雷雲(Thunderstorm, Cell)を迂回する誘導をリクエストする事も出来なくないですが、彼らのレーダーは航空管制用なので、精度は高くありません。 気象用では無いので、緊急時や急激な天候の変化が無い限り頼らない方が良いでしょう。
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