6.着陸する時 LASHO
Land and Hold Short Operations (LAHSO)
大きな空港でよく使われているOperation(方式)です。これは、「着陸しても良いが、指定された場所までに停止する事」が義務付けられます。これによって、交差している滑走路を同時に使用出来るようにしています。 通常は、一本の滑走路に航空機の離着陸許可が出た場合、その離着陸中とその前後、その滑走路全部が航空機一機に限定されます。
しかし、Landing Clearanceに交差する滑走路の手前でHold Shortと制限を付けて、2本の滑走路を同時に使えるようにしています。
(実はこのLAHSOは私が足を洗う事に、試験的に始まって、実際の許可を貰った事が無いのです。その為、AIMなど色んな文献を見て書いてます。)
"Cessna 123, San Francisco Tower, Clered to Land Runway 28 Right, Hold Short of Runway 1 Right......"
28 Rightに着陸は許可しますが、Runway 1 Rightまでには停止しなさい。
"Cessna 123, Cleared to Land on 28 R, and Hold Short 1 Right....." 必ずRead Backをして下さい。
"United 999, Cleared for Takeoff Ruway 1 Right, Landing Cessna will hold short"
危険性が含まれているので、必ずRead Backをして下さい。義務付けもされているでしょう。ATC Clearanceでもあり、Instructiuonでもありますので必ず厳守してください。大きな事故になる場合があります。小型機等で多くの着陸距離が不要な場合などでLAHSOを使い、開いたスペース(他の滑走路やTaxiway)で離陸、着陸、タクシーを可能にします。空港を有効利用できるのですがLAHSOは危険性も高く、大事な事なのでこの件に関しては教官に詳しく聞いてください。 絶対に無理は避けてください。大きい滑走路では錯覚も置きやすいです。
もちろん自信の無い方はLAHSOを拒否できますし、Student Pilotなら拒否しなくてはいけません。 これは空港を使う上では凄く有効な方式ですが、滑走路を全て使えませんし、着陸中に目の前を飛行機が通り抜ける場合もありますので、万が一を考えると、経験の少ない飛行機や訓練生は拒否するべきです。 これこそ「安全第一」です。
"I am a student pilot"
"I can NOT accept such Clearnce"
"I need full runway, please!"
"We need full length"
"Negative, I can't accept that..."
"I am not familir with this airplane. please give me full legth just in case"
など、何でも良いので無理と伝えてください。
FAAもStudent PiolotはLAHSOには参加しない様にといってます。 (航空法では無いでのですが、AIMなど色々な所でStudent Pilot should NOT participateと明記してます。法律では明記されてないからと言って、試験官とかにLASHOは誰でも可能!なんて言うと不合格です。)
慣れてない飛行機や、Student Pilotでは滑走路の全長で使えるようにリクエストするべきです。飛行時間に関係なく、空港に慣れて居ない場合や天候の悪い場合でも拒否できます。Wet Runwayでも禁止されています。
明記はされてませんが、 Hold ShortではGo-Aroundが出来ないのと同じ事です。 滅多に乗らない飛行機、初めての飛行機、不慣れな場合、横風や風に乱気流が強い時は、 LASHOは拒否してください。 「Full Length」ね。
LASHOの時は、半端なく危険な状態ですので 絶対に無理をしちゃ駄目ですよ! しかも、大きな滑走路で行なわれてる時が多いと自然に考え付きますが、 幅の広い滑走路は、慣れていない人は、目測を誤りやすいので逆に危険な場合が多いです。
正直な所、私は75フィート幅に慣れてるので、100フィート以上幅がある滑走路は苦手でした。 逆に50フィート以下の方が簡単に思える人間です。 まあ、基本的に日本人は忙しい空港は避けるべきだとの考えがあるので、LASHOが行なわれるような空港は避けてました。 まあ、LASHOが通常に行なわれている空港でPrivateの免許を取る日本人が多いのも知ってますけど。 部外者の人は、細心の注意を払ってね。 駄目とは言いませんが、それなりの注意を!
もし一度受け付けてしまった場合にはTowerからの許可(Amendament)が必要となります。LASHOを使う多くの場合には離着陸する飛行機がおり、大きい飛行機の可能性が高いとも理解しておくべきですし、忙しい空港であるとも簡単に想像できます。自信が無いなら、最初からLAHSOが行われている空港に行く事を避けるべきです。
指定される場所は、滑走路が多いですが、一部では多く使われるTaxiwayもあります。LAHSOはATC Clearanceの一種で、一度パイロットが受け付けると緊急以外には無許可で取り消す事が出来ません。緊急時以外はGo-Around や Touch-and-Goが出来ないと言う意味です。これの目的は、空港の有効利用です。2本の交差する滑走路があれば通常は同時に使う事は出来ません。 同時に他の航空機が離着陸する場合も多いので、無視や守れない場合は、非常に危険です。
LAHSO Clearanceは天候が悪い時に受けるのは考え物です。Dry Runway、乾いた滑走路で天候状態が良い時には大きな問題は無いでしょう。 しかし、滑走路に水溜りが有る様な場合(Wet Runway)ですとブレーキの効きが悪くなる場合が有るので注意です。 もう一つは風の状態。 Cross Windが有る場合ですと、流されたりするし、Approach速度も速くなりますから着陸距離が伸びます。 また、夜間では眼の錯覚が有るので、その事も検討材料にして下さい。
- Wet Runway
- 悪天候・気象状態
- Crosswind
- Night Landing
- 飛行機の性能(ブレーキやGearなどの状態も含めて)
- 操縦士の技量
操縦士は上記の状態を考えてLASHOを受け取るかどうかを検討します。LASHOを認めるかは操縦士の判断です。管制官はLASHO Clearanceを出すのも仕事ですが、各飛行機の状態までは分かりませんし、操縦士のレベルもわかりません。 Wet Runway(濡れた滑走路)、気象状態やGo-Around procudeureの有無によってLASHOを出すかを管制官が検討しますが、最終的にLASHOを受けるかは、パイロットの責任です。 別に無理をする必要はありません。 ATC無線を聞いているとAirlineでもLASHOを拒否する人が居ます。
LAHSOで着陸する時に、義務付けられている距離:
6000ポンド以下 もしくは 20席以下の飛行機の場合は、
POHで書かれている50-foot Obstacle Landing Distance 50フィートの障害物を越えてから完全に停止すまでの距離に1,000フィートを足した距離が最低必要になります。 あんまり長いとは思えない距離です!
例えば、BigAirplane-5で、50-foot Obstacle での着陸距離が3,500 feet とPOHに出ていた場合は、LAHSOを受ける前に4500フィートの距離が有る事を確認する必要があります。
Runway Holding Position Markings on Runways
Yahoo MapよりRunway Holding Position Markings on Runwaysの写真。LAHSOが行われている滑走路では、Runwayにも停止線、Hold Lineが書かれており、横にはRunway Hold Signも出ています。
紫色の線がRunwayに描かれたHold Lineで、着陸許可に"... hold short of Runway xx ...”と有れば、このラインの所までに停止をしなくては行けません。 また赤い矢印の所には交差するRunway Numberを示す看板、Signが出ています。 右側の図が例です。 これを「Runway/runway hold position sign」とも言います。
このサインはTaxiway上でも、Runwayの入り口を示す時にも使われています。